特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液検査
血球検査
砂糖水(ショ糖水)試験,Ham試験
上妻 行則
1
,
二宮 治彦
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻血液病態制御医学分野
pp.60-62
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104691
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)は,後天性突然変異に伴う異常造血幹細胞によるクローン性疾患で,PNH赤血球上の補体制御蛋白やGPI(glycosyl phosphatidylinositol)アンカー型膜蛋白を血球膜上に繋留するためのGPIアンカーが生合成されないため,補体感受性が亢進した異常赤血球が産生され,発作的または慢性的に血管内溶血がみられる疾患である1).PNH赤血球の補体感受性を検出するために,酸性化血清内で補体が活性化することを利用したHam試験と,低イオン強度下では赤血球膜への抗体結合に引き続いて補体系が活性化することを利用した砂糖水(ショ糖水)試験を行うことはきわめて重要である.
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