特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液検査
血球検査
Coombs試験
二宮 治彦
1
1筑波大学人間総合科学研究科先端応用医学専攻血液病態制御医学分野
pp.74-75
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101729
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
Coombs試験(抗グロブリン試験)には,赤血球がすでに不完全抗体で感作されているか否かを検出する直接Coombs試験と,血清中に含まれる不完全抗体を検出する間接Coombs試験がある.
不完全抗体とは,生理食塩水中で凝集能力を有しない抗体で,輸血による溶血性副作用,新生児溶血性貧血(Rh不適合妊娠による),自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia:AIHA)において,赤血球の溶血や凝集の原因となる.不完全抗体は個々の赤血球との結合はするものの赤血球凝集は起こさない.しかし,不完全抗体に感作された赤血球は抗グロブリン血清(Coombs血清,ヒト血清免疫グロブリンに対するウサギの抗血清)を加えると凝集反応が起こる.これによって赤血球に結合した抗体や補体成分を検出する試験である.
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