医道そぞろ歩き—医学史の視点から・45
古代インドの医者に求められたもの
二宮 陸雄
1
1二宮内科
pp.192-193
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905886
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スシュルタは釈迦が生きたころの医者で,インドの叙事詩の一つ『マハーバーラタ』にもその名が出てくる.
古代インドの代表的な医学史料である『スシュルタ・サムヒター』の「サムヒター」とは,サンスクリット語で「集成」を意味する.この『スシュルタ集成』を編集したナーガールジュナは,前4世紀後半の人である.したがって,この集成のもとになる『スシュルタ古本』(ヴリドダ・スシュルタ)が成立したのは恐らく前6世紀以前ではないかと推測される.古代ギリシヤでヒポクラテス全集が集成されたのと同様に,何百年もかけた編集過程でアーユルヴェーダ医学のさまざまな医学史料が集成されてできたものであろうか.
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