増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
カテコールアミン系(強心薬)
カルグート(田辺)
相川 丞
1
,
山口 徹
1
1東邦大学大橋病院第3内科
pp.20
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905390
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臨床薬理
●作用機序:デノパミン(カルグート®)はその化学構造にカテコール核をもたないため,カテコールアミンには分類されないが,β1受容体刺激薬という点で他のカテコールアミンと共通である.ただし,β1受容体の部分活性薬であるため心拍数増加が起こりにくく,β受容体のdown regulationを起こしにくいという利点がある.本剤は,心筋細胞のβ1受容体に作用して心筋収縮力を増加させ,冠動脈に対してはβ1受容体刺激作用,末梢血管に対してはα受容体遮断作用により血管拡張作用を示す1)ため,心不全治療においては理にかなった薬剤で,国内で開発されたものである.
●血中濃度モニタリング:ジギタリスと異なり治療濃度域が広いため,血中濃度の測定は必要ない.
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