増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
ホスホジエステラーゼ阻害薬(強心薬)
アムコラル(明治製菓)=カルトニック(山之内)
相川 丞
1
,
山口 徹
1
1東邦大学大橋病院第3内科
pp.21-22
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905391
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臨床薬理
●作用機序:アムリノンは,cAMPの分解酵素であるホスホジエステラーゼIIIを阻害して,細胞質内のcAMP濃度を増加させることによりAキナーゼを活性化して,細胞質内のCa濃度を増加させ心筋収縮力を増加させる.心筋細胞におけるcAMP以降の細胞内情報伝達系はカテコールアミンと同様であるが,β1受容体を介さないため,心筋細胞のβ受容体のdown regulationは起こらない(図,15ページ).また,血管平滑筋細胞のホスホジエステラーゼIIIを阻害して,cAMPの増加により血管拡張作用を示す.●血中濃度モニタリング:治療血中濃度域は1.0〜4.0μg/mlであるが,5〜15μg/kg/minの維持量投与でこの血中濃度域に入るため,重篤な肝腎障害を伴わないかぎり血中濃度の測定は必要ない.血圧,心拍出量など血行動態のモニタリングから投与量を決定する.
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