今月の主題 炎症性腸疾患治療のジャイアント・ステップス
治療を睨んだIBDの臨床診断学
IBDにおける発癌—内視鏡診断とサーベイランス
長廻 紘
1,2
,
藤盛 孝博
3
,
戸田 潤子
4
1群馬県立がんセンター
2東京女子医科大学消化器内科
3独協医科大学第2病理
4東京女子医科大学消化器内科
pp.1474-1478
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905214
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●長期経過したIBDにおけるcolitic cancerの発生頻度は12.5%(5/40)であったとの報告がある1).一般の大腸癌の頻度や年齢で比較すると,長期経過IBD,特に潰瘍性大腸炎は大腸癌のhigh risk groupといえる.
●潰瘍性大腸炎におけるcolitic cancerは,①多発癌が多い,②平坦で浸潤性,境界不明瞭と特異な肉眼型を示す,③未分化癌が多い,④dysplasiaを伴うものが多い,などの特徴があげられる.
●微細な形態診断学的根拠を基にした内視鏡検査は,colitic cancerの早期診断に貢献できるであろう.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.