Japanese
English
今月の主題 咽頭表在癌の内視鏡診断と治療
序説
咽頭表在癌の内視鏡診断と治療
Introduction
小山 恒男
1
Tsuneo Oyama
1
1佐久医療センター内視鏡内科
キーワード:
咽頭表在癌
,
咽頭癌
,
下咽頭癌
,
咽頭ESD
,
ELPS
Keyword:
咽頭表在癌
,
咽頭癌
,
下咽頭癌
,
咽頭ESD
,
ELPS
pp.1389
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202569
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食道表在癌の発見にはヨード染色という切り札があり,1980年代にその発見頻度が増加した.さらに,1990年代にはEMR(endoscopic mucosal resection)が開発され,食道表在癌の内視鏡治療が可能となった.EMRは食道を温存できる素晴らしい治療法であったが,食道癌は異時多発癌が多く,特に咽頭癌の合併頻度が高かった.しかし,ヨード染色は咽頭表在癌の発見に使用できず,その発見は困難であった.
21世紀になってNBI(narrow band imaging)が開発され,下咽頭癌の早期発見は急速に発展した.同時に,咽頭表在癌に対するEMRが試みられるようになった.梨状陥凹部は上皮下層が疎のため,EMRが容易であったが,下咽頭正中部は上皮下層の線維化が強く,EMRでの切除は困難であった.そこで,下咽頭にもESD(endoscopic submucosal dissection)が応用されるようになり,さらには口腔から挿入した器具を用いて直接病巣を切除するELPS(endoscopic laryngopharyngeal surgery)が開発された.
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