今月の主題 消化器癌のトピックス
大腸癌
内視鏡診断とX線診断
長廻 紘
1
1東女医大消化器内科
pp.202-205
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207067
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大腸癌は欧米諸国に比べてまだ圧倒的に少ないが,近年,日本においてその増加が注目されている.1970年までの過去15年間に大腸癌による死亡率は約50%増加している.遠からず欧米なみの発生率になる可能性も否定できない.日本では消化管疾患の診断学はすすんでいて,現在では1cm以下の小さな病変でも容易に発見しうる.
大腸は長大な臓器であり,その全体をくまなく検査することはなかなか困難である.しかし,幸いなことに,大腸癌の大部分は下部大腸である直腸・S状結腸にある(表1).このことは長い大腸を検査するうえで非常に重要な意義を有する.すなわち最も簡単な検査方法である指診で3割前後,25〜30cmの硬性直腸鏡で半分近くの大腸癌が診断しうる.
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