今月の主題 消化器疾患の低侵襲治療手技
腸疾患
大腸ポリープと早期癌—腹腔鏡的アプローチ
澤田 俊夫
1
,
河村 裕
2
,
武藤 徹一郎
2
1群馬県立循環器病センター外科
2東京大学医学部第1外科
pp.472-474
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904413
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ポイント
●大腸ポリープと早期癌に対しては,まず可能であれば内視鏡的切除が試みられる.
●大きさが2〜3cm以上のポリープや平坦陥凹型などで内視鏡的切除が困難な場合は,低侵襲手術手技として腹腔鏡手術が選択される.
●腺腫・m癌はリンパ節転移のリスクがないので,腹腔鏡的アプローチによって局所切除や腸管切除が行われれば十分である.
●しかし,sm癌の一部(10%)にはリンパ節転移のリスクがある.したがって,これらに対しては,リンパ節郭清(D1,D2)を伴う外科治療法として腹腔鏡手術が行われなければならない.
●しかし,腹腔鏡的アプローチによるリンパ節郭清の適応は,今後の遠隔成績からの検討を待たなければならない.
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