入門講座 大腸疾患診断の考え方・進め方・10
読影(1)―進行癌・早期癌・ポリープ
市川 平三郎
1
,
中嶋 義麿
2
,
武藤 徹一郎
3
,
牛尾 恭輔
4
,
渡辺 英伸
5
1国立がんセンター病院
2まろ病院
3大森赤十字病院外科
4国立がんセンター放射線診断部
5新潟大学医学部第1病理
pp.1161-1169
発行日 1982年10月25日
Published Date 1982/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108762
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
進行癌
<質問>X線・内視鏡検査上,進行癌と間違えやすい良性疾患にはどんなものがありますか.
渡辺 間違えやすさの原因の1つには,臨床医の実力の差ということもありますが……(笑い).それは抜きにして,潰瘍性病変が最も問題になるだろうと思います.
そうすると,Behget病の潰瘍とか,simple ulcer,まれにアメーバ赤痢があります.それから,直腸のsolitary ulcerもあります.そのほかに,結核,colitis cystica profunda,憩室炎も鑑別を要する疾患だと思います.
あと,びまん浸潤型癌との鑑別では,虚血性の病変,drug induced colitisなども入ってくると思います.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.