カラーグラフ 内視鏡的色素シリーズ・5
大腸ポリープ・大腸癌
多田 正大
1
,
川井 啓市
2
1京都第一赤十字病院3内
2京都府立医大公衆衛生
pp.1058-1059
発行日 1979年7月20日
Published Date 1979/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207234
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大腸癌のうち進行癌の内視鏡診断については差程問題はないが,早期癌についてはその形態の類似性から腺腫との鑑別が問題になる.そこで大腸ポリープに対しては発見次第に内視鏡的ポリペクトミーを行なうことが,今日の普遍的な手順である.しかし最近,大腸隆起性病変に対して色素内視鏡検査法と拡大大腸fiberscopeによる観察を併用した内視鏡的拡大観察法(Endoscopical Magnifying Observation Method)を試みることによつて,内視鏡検査法の質的診断能は飛躍的に向上してきている.
その方法は拡大大腸fiberscope(CF-MB-M,CF-HM,Olympus)の生検鉗子孔よりテフロンチューブを挿入し,内視鏡直視下にポリープに0.2〜1.0%の濃度のMethylene blue液を数ml散布する(直接散布法)という簡単な手技である.数分後にポリープから色素液が吸収され,その表面が青く染色されるのをまつて,至適倍率下に拡大観察することによつて,ポリープの表面の微細構造を内視鏡観察することができる.
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