今月の主題 消化器疾患の低侵襲治療手技
胃・十二指腸疾患
胃・十二指腸出血
高橋 寛
1
,
藤田 力也
1
1昭和大学藤が丘病院内科
pp.442-445
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904405
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ポイント
●上部消化管出血の原因としては,消化性潰瘍からの出血頻度が最も高い.
●消化管出血患者の循環動態は流動的であり,全身管理を含めた治療を心がける必要がある.
●消化管出血の治療には,純エタノール局注法,ヒータープローブ法,クリップ止血法などがあるが,それぞれの止血機序を熟知しておかなければならない.特に,予想される合併症については,十分な配慮が必要である.
●それぞれの止血効果には有意差はみられず,どの止血法でも十分な止血効果が期待できる.しかし,脆弱な被癌部からの出血に対しては,クリップ止血法よりもエタノール局注法やヒータープローブ法などが効果的であり,疾患の特性を考えた治療が望まれる.
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