“ホッ”とspot
しびれ
李 宗泰
1
1市立函館病院内科
pp.609
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904232
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内科の外来診察で,特に老人から頑固なしびれを訴えられることは誰もがよく経験することと思います.“両足がしびれて中腰になれない”とか“右手がしびれて物が持てない”などと訴えてきます.これらのしびれが,整形外科的にヘルニア,靱帯硬化などによる神経根の圧迫による症状であった場合,手術による減圧術が根治療法になるのは勿論ですが,一般的に老人の場合,むしろ手術適応とならないことも多いのではないでしょうか.忙しい外来であればあるほど,“たかがしびれだから”と考えがちですが,患者さん本人にとってはかなり深刻である場合もよくあり,実のところ,内科医としてはこのようなしびれにはほとんどお手上げの状態であるのも事実です.
このような場合,私は根治ではなく,症状をとるだけと患者さんに説明し,抗てんかん薬であるリポトリール(0.5mg)と四環系抗うつ薬であるテシプール(1mg)を同時に1日1回から3回まで症状にあわせて処方することがあります.患者さんにもよりますが,効果は劇的である場合が多く,投薬翌日から全くしびれがなくなることもしばしばです.
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