増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
自己免疫性肝炎
池田 有成
1
,
佐藤 芳之
1
1東京厚生年金病院内科
pp.185-186
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904038
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疾患概念と病態
自己免疫性肝炎は女性に好発し,自己免疫性機序が病因として関与していると考えられる原因不明の慢性肝炎であり,ウイルス,アルコール,薬物などによるものは原則として除外される.現在,自己抗体の種類により表1のような分類が提唱されているが,IIb型はむしろC型慢性肝炎として扱うという意見もある.厚生省「難治性の肝炎」調査研究班の診断基準はこれらのうち,主として抗核抗体陽性の古典的な1型の自己免疫性肝炎の病像をもとにして考えられた基準であり,今後改訂される必要がある1).
最近ではInternational Autoimmune Hepatitis Groupによる診断基準も用いられている2).診断に当たっては,肝炎ウイルスマーカー陽性であっても自己免疫性肝炎は否定できない.また,抗核抗体陰性の自己免疫性肝炎があることに注意すべきであり,あくまでも検査所見を含む臨床像より診断すべきである.
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