図解病態のしくみ—肝臓病・8
自己免疫性肝炎
杉山 和子
1
,
渡辺 明治
1
1富山医科薬科大学第3内科
pp.364-370
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901997
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1950年,Waldentrömらが若い女性にみられる慢性肝炎を指摘したのに続き,1955年,Joskeらはlupus erythematosus(LE)細胞現象陽性の2例を報告した.1956年,Mackayらは自己免疫機序による肝障害の可能性を想定し,これらのLE細胞陽性の“active chronic hepatitis”を「ルポイド肝炎」として報告した.
その後1965年,Mackayらは,LE細胞現象は一過性あるいは弱陽性のことがあるとし,ルポイド肝炎の概念を拡大し,LE細胞現象が陰性であっても表1のような特徴をもつ慢性活動性肝炎を「自己免疫性肝炎」として,新たな疾患概念を提唱した1).
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