特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
3.自己免疫疾患と検査
20)自己免疫性肝炎
池田 有成
1
,
光井 洋
1
,
戸田 剛太郎
2
Yusei IKEDA
1
,
Hiroshi MITSUI
1
,
Gotaro TODA
2
1東京大学医学部第一内科
2東京慈恵会医科大学第一内科
pp.320-322
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900894
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はじめに
1956年,MackayらはSLE様症状を示し,LE細胞現象陽性の活動性慢性肝炎をルポイド肝炎と呼び,SLEでの肝病変(通常軽微である)とは区別した.その後,LE細胞現象は一過性に出現する症例もあることから,抗核抗体などの自己抗体の陽性に注目し,ルポイド肝炎を含めて自己免疫性肝炎とした.その肝障害の発症には自己免疫機序が関係していると考えられており,ステロイドが有効である.また,ウイルス性慢性肝炎とは異なり,インターフェロンは無効で,投与により悪化する可能性もあることから,本症を正しく診断することは重要である.最近では,抗核抗体陰性の自己免疫性肝炎の存在やC型肝炎ウイルス(HCV)との関連が注目されている.また,syncytial giant-cellhepatitisとの鑑別も重要となってきている.
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