増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
過敏性腸症候群
高橋 裕
1
,
上野 文昭
1
1東海大学大磯病院内科
pp.155-157
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904024
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疾患概念と病態
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は消化管の機能性疾患としてとらえられる.腹痛と便通異常の患者に,原因となる器質的疾患がない場合に用いられる疾患である.その様々な診断基準は,病歴を重視し臨床的になされている.IBSの病態生理は,自律神経失調による副交感神経緊張状態および腸管局所の壁在神経叢の過剰反応が合わさった全消化管の運動・分泌機能亢進状態と理解されている.病型は便通状態により,下痢型,便秘型,交替型に分類される.
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