今月の主題 内科臨床における心身医療
疾患・症候をどう診るか
過敏性腸症候群
佐々木 大輔
1
,
須藤 智行
2
,
中畑 元
2
1弘前大学保健管理センター
2弘前大学医学部第1内科
pp.1092-1094
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903685
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ポイント
●大腸を中心とした腸管の機能異常があり,腹痛,便通異常を慢性に訴える疾患である.過敏性腸症候群(IBS)の症状をもつ人は一般人の中に極めて多い.女性は男性の約1.5倍,好発年齢は20〜40歳,男性は下痢型が,女性は便秘型が多い.心理テストからIBSに特有の結果や特異的な性格傾向はない.
●生活指導と身体症状に対する薬物治療を行っても症状の持続する患者には向精神薬を用いる.偽薬効果の高い疾患である.
●治療可能であるが,治癒不可能の疾患である.治療の最終目標は,症状の自己コントロールと患者が社会的に適応状態にあることにおく.
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