増刊号 Common Disease 200の治療戦略
循環器疾患
収縮性心膜炎
大島 祥男
1
,
一色 高明
1
1帝京大学医学部第2内科
pp.74-75
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903990
- 有料閲覧
- 文献概要
疾患概念と病態
収縮性心膜炎は,心膜の線維性肥厚や癒着による心腔の拡張障害を主な病態とする疾患である.硬く肥厚・癒着した心膜による,①心室拡張期血流充満の障害とそれに伴う心拍出量の低下と,②右室拡張障害による静脈うっ血,静脈圧上昇とそれに伴う各種臓器障害,が主な病態である.
急性心膜炎を起こすすべての疾患が本症の原因となり得るが,約半数は原因不明であり,急性期は無症状で経過するものも少なくない.原因の明らかな例では結核性が最も多く,特に小児の収縮性心膜炎は結核性の可能性が高いが,いずれも近年は減少傾向にある.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.