今月の主題 心膜疾患の臨床
心膜疾患の主な病型
収縮性心膜炎
沢山 俊民
1
,
鼠尾 祥三
1
Toshitami SAWAYAMA
1
,
Shozo NEZUO
1
1川崎医科大学・循環器内科
pp.36-39
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216362
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はじめに
収縮性心膜炎は,種々の原因により心膜が肥厚硬化し,心臓の拡張期充満が制限された状態である.ところで本症以外にも心筋や心内膜が障害されたり,心包内に液の貯留が生じると類似の病態生理を示してくることがあり,これを総称して収縮性心疾患と呼ばれている.そのなかには心タンポナーデ,収縮性心筋症,心アミロイドーシス,心内膜線維弾性症などが含まれる.なかでも収縮性心膜炎は外科手術の対象となるため他の類似疾患との鑑別が大切であるが,必ずしも容易ではない.
本稿では収縮性心膜炎の特徴について説明し,鑑別診断についてもふれる.
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