今月の主題 カルシウム代謝と骨
腎疾患と骨
尿細管性アシドーシス
土屋 裕
1
1東京都立清瀬小児病院
pp.1532-1534
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221834
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■疾患の概念(表)
尿細管性アシドーシス(renal tubular acidosis,RTA)は,腎尿細管のH+排泄障害に基づく慢性高クロール血性酸血症の総称である.
RTAは近位尿細管のH+排泄障害(重炭酸再吸収障害)による近位型RTA(II型,RTA-II)と,遠位尿細管のH+排泄障害による遠位型RTAに2分される.RTA-IIには重炭酸再吸収障害のみの病型とこれに腎尿細管におけるK,リン,糖,蛋白,アミノ酸などの再吸収障害を伴う病型(Fanconi症候群)とがある.遠位型RTAは,随伴する血清K値の異常によって低K型(I型,RTA-I)と高K型(IV型,RTA-IV)に分けられる.RTA-IVにはアルドステロン分泌低下を伴う病型と,これを伴わない病型とがある.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.