講座 図解病態のしくみ 腎臓病・9
尿細管性アシドーシス
島野 仁
1
,
張 漢佶
1
,
黒川 清
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.1677-1683
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219939
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われわれは,通常1日に体重1kg当たり約1mEq(約50〜60mEq/日)の不揮発性の酸を産生し,これを尿中に排泄することによって,H+のバランスが保たれている.尿細管性アシドーシスとは,腎でのH+イオンの排泄障害が原因となり,全身のアシドーシスをきたす疾患を総称したものである.その病態生理を理解するためには,腎尿細管でのH+イオン排泄機構に関する知識が必要である.本稿では,先ず腎尿細管でのH+イオン排泄の生理を概説し,その後尿細管性アシドーシスの病態生理と,それに基づいた分類を紹介し,その各々についての解説と治療方針の考え方を述べる.
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