今月の主題 肝硬変から肝細胞癌へ—臨床医の正しい診療のために
肝細胞癌の発生と早期診断
肝細胞癌の確定診断と治療方針決定のための画像診断
磯部 義憲
1
,
遠藤 高
1
,
西巻 博
1
,
上野 恵子
2
,
近藤 由美
2
,
吉田 泉
2
1北里大学東病院・放射線科
2東京女子医科大学消化器病センター・消化器放射線科
pp.1630-1639
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901681
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
1)肝細胞癌と肝癌類似病変との鑑別診断は,画像診断法によってかなり可能となってはきたが,1cm以下の小結節では超音波誘導下生検を施行しても,約1/4の症例では確診は得られず,厳重な経過観察をすべきである.
2)肝癌の肉眼形態が発育形式を反映しており,治療法の選択には画像診断による癌腫の形態の詳細な把握が必要である.
3)局在診断,進展度診断には通常のUS,CTに加えて,炭酸ガスUS,CT angiographyなどが有用で,MRIなどによる主要血管と腫瘤との立体的な位置関係の把握も重要である.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.