高血圧症 臨床の要点-JSH2014を踏まえたエキスパートからの提言 初診患者へのアプローチ
治療方針の決定プロセス
長谷部 直幸
1
1旭川医科大学 内科学講座循環・呼吸・神経病態内科分野
キーワード:
危険因子
,
血圧測定
,
降圧剤
,
高血圧
,
心臓血管疾患
,
ライフスタイル
,
診療ガイドライン
,
リスク評価
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Cardiovascular Diseases
,
Blood Pressure Determination
,
Hypertension
,
Life Style
,
Risk Factors
,
Practice Guidelines as Topic
,
Risk Assessment
pp.379-384
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015034346
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高血圧治療の目的は,高血圧の持続による心血管病の発症・進展・再発を抑制して死亡を減少させることである.これを目指しながら,常に高血圧患者のQOLの維持に留意して治療方針を立てることが求められる.高血圧の初診患者の治療方針は,高血圧の存在とその重症度の的確な診断,さらに引き続く個々の患者のリスク評価に基づいて決定される.したがって,高血圧患者のリスクレベルの評価は,高血圧治療の最初のステップでもある.高血圧治療は,第1段階の生活習慣の修正と第2段階の降圧薬治療よりなるが,降圧薬開始の時期は患者のリスクレベルに応じて決定される.診察室血圧が持続的に140/90mmHg以上を呈するすべての高血圧患者が治療の対象であり,したがってすべての高血圧患者についてリスク評価が求められる.
©Nankodo Co., Ltd., 2014