特集 慢性疾患—明日の公衆衛生のために
肝疾患とその治療方針
小田 正幸
1
1東大田坂内科
pp.129-131
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201193
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肝臓は体内で最も大きな臓器の1つであり,形態学的に肝実質細胞,細網内皮系,門脈,肝動脈,肝静脈胆管系等に分たれ,また機能的にも胆汁生成と排泄,解毒,各種物質代謝,血液凝固,体内血流調節,水,電解質代謝等と数々の複雑な作用をいとなんでいる.
肝臓の疾患の原因としてはビールス感染(経口的にまた血漿・血液の輸液に際し),各種薬剤・食品等による中毒性肝炎,その他食餌起因性の慢性疾患,胆道感染を基として毛細胆管炎胆管結石症,癌等による病変をはじめ,結核その他の慢性疾患及び甲状腺中毒症妊娠中毒症等の全身疾患の部分症状として,種々の病変が招来される.
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