今月の主題 肝硬変から肝細胞癌へ—臨床医の正しい診療のために
肝硬変診断の定石とPitfall
肝硬変症診断の基本
川崎 寛中
1
,
村脇 義和
1
1鳥取大学医学部・第2内科
pp.1524-1527
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901656
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ポイント
1)肝硬変では種々の程度の肝細胞機能障害と門脈圧亢進症状が認められ,代償性肝硬変から非代償性に移行すると,黄疸,腹水,消化管出血,精神神経症状などの肝不全症状が出現する.
2)成因別ではB型およびC型肝炎ウイルスによるものが70%以上を占め,次いでアルコール性の頻度が高い.
3)慢性肝炎との鑑別では,脾腫,食道・胃静脈瘤,腹水などの門脈圧亢進所見が有用であり,肝機能検査では,アルブミン,コリンエステラーゼ,プロトロンビン時間,総胆汁酸,ICGなどを重視する必要がある.
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