今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療
肺の結節性病変—孤立性と多発性
リウマトイド結節
高野 慎
1
1東京電力病院・内科
pp.1410-1412
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901632
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慢性関節リウマチ(RA)は慢性,多発性,対称性,変形性関節炎を主徴とする全身性炎症性疾患である.病因はいまなお不明であるが,炎症の主座は関節滑膜にあり,関節滑膜の増殖,パンヌスの形成,関節破壊,関節強直などをきたす.
一方,RAでは関節以外に病変が認められることが少なくない.リウマトイド結節,動脈炎,神経炎,胸膜炎,心膜炎,リンパ節腫,脾腫などの関節外症状が知られている.肺はRAの関節外病変をきたすもっとも高頻度の臓器の一つであるが,RAに伴う肺病変としては,①胸膜炎,②間質性肺炎・肺線維症,③肺リウマトイド結節,④カプラン症候群(Caplan's syndrome)などが知られている.このほかにもRA患者では種々の肺病変を合併しうる.その中で特に本稿ではRA患者にみられる結節性肺病変につき述べる.
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