今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡
酸塩基平衡の理解のために
腎での調節—遠位尿細管
古谷 隆一
1
,
菱田 明
1
1浜松医科大学・第1内科
pp.2190-2192
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222896
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食物として摂取された酸と代謝過程で産生される酸(合計で1mEq/kg/day)は腎から排泄されるが,この大部分は滴定酸とアンモニウムイオン(NH4+)の形で尿中に排泄される.また,糸球体で濾過される多量のHCO3-をほぼ完全に再吸収することによりアルカリの喪失を防いでいる.
腎での総酸排泄量は次式で示される.
総酸排泄量=滴定酸+NH4+-HCO3-
酸性尿では非結合のH+が増加しているが,非結合H+として排泄されるH+の量が総酸排泄量の中で占める割合はきわめて少ない.しかし,尿が酸性に傾くことによって滴定酸,NH4+の排泄を増加させることになり,尿の酸性化は総酸排泄量に強く影響する.
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