今月の主題 輸液療法の実際
各種病態における輸液療法の実際—私の処方
腎不全の輸液療法
武田 茂幸
1
,
浅野 泰
1
1自治医科大学・腎臓内科
pp.1050-1051
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900926
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ポイント
1)腎不全とは,腎機能の低下により体液の恒常性が維持できない状態であり,輸液療法は量的,質的な制限を受ける.
2)急性腎不全では,腎前性,腎性,腎後性の鑑別が重要である.
3)急性腎不全では,乏尿期,利尿期が輸液療法の対象となるが,溢水および高カリウム血症に十分注意する必要がある.
4)慢性腎不全の代償期の輸液療法では,低ナトリウム血症,高カリウム血症に注意して,非代償期には溢水にとくに注意する.
5)輸液療法の限界を見極め,透析療法は早期に導入を検討し,導入後は頻回に施行する.
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