今月の主題 輸液療法の実際
各種病態における輸液療法の実際—私の処方
腹水貯留肝硬変症の輸液療法
三浦 総一郎
1
,
芹澤 宏
1
,
土屋 雅春
1
1慶應義塾大学医学部・内科
pp.1046-1048
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900925
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ポイント
1)非代償期の肝硬変では,肝内外のリンパ管のうっ滞,門脈圧亢進,肝でのホルモン分解能低下など種々の原因で腹水が貯留しやすい状態となっている.
2)安静,減塩食を基本とし,薬剤として利尿剤投与,さらに血液製剤の補給により血漿浸透圧の増加を図る.
3)しかし,急激な利尿は電解質異常,高アンモニア血症,黄疸など他の肝不全所見の増悪を招くことがある.
4)したがって,毎日の体重や尿量からみた水分バランス,血清,尿中電解質などの検査成績を評価しつつ慎重に行わなければならない.
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