今月の主題 ベッドサイドの痴呆学
痴呆へのアプローチ
器質性痴呆の種類と特色—器質性痴呆の鑑別診断
池田 久男
1
1高知医科大学・神経精神医学
pp.2062-2064
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900535
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日常の臨床において,痴呆の診断には以下の3ステップが実行されている.第1ステップは,患者の示す病態(精神症状)が痴呆であるかどうかの病態診断である.これには病歴,精神医学的面接,および心理テスト(知能テスト)の結果が参考となる.第2ステップは,この痴呆の原因となっている基礎(原因)疾患は何かの疾病診断である.これには病歴のほかに,その痴呆の臨床特徴,神経学的検査の結果が参考になる.さらに第3ステップには,患者の処遇や治療方針の決定に必要な痴呆の重症度診断がある.これには患者の日常生活能力(ADL)の評価や,痴呆患者のステージ分類評価が参考になる.本稿では,主としてステージ1および2に関連する項について述べる.
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