増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
内分泌・代謝疾患
92.糖尿病性昏睡
河津 捷二
1
,
伴野 祥一
1
1群馬大学医学部・第2内科
pp.1976-1980
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900509
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ポイント
1)昏睡が糖尿病に関連したものか否かを疑い,尿糖,尿ケトン体,そして血糖測定を行い,さらに状況証拠(糖尿病の既往など)もあれば,診断は確実なものとなる.
2)糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡:IDDM,若年者に多い.脱水,Kussmaul大呼吸,尿糖,高血糖,尿中・血中ケトン体の増加,アシドーシス(pH<7.3)を認める.生食輸液による水分の補充とインスリン少量持続静注.
3)高血糖性高浸透圧性非ケトン性昏睡:NIDDM,高齢者で多い.著明な脱水,高血糖,高Na血症を呈し,ケトアシドーシスは明らかでない.中枢神経症状も目立つ.血清浸透圧上昇(>330mOsm/L).大量の半生食輸液とインスリン少量持続静注.
4)必要に応じて,O2吸入,感染症対策(抗生物質投与)を行い,回復期にはK補充を考慮.
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