今月の主題 意識障害への新しいアプローチ
治療のポイント
糖尿病性昏睡
北村 信一
1
1済生会中央病院内科
pp.56-57
発行日 1975年1月10日
Published Date 1975/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205738
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糖尿病性昏睡は糖尿病患者,特に若年型でインスリン注射を必要とする患者(本症発生まで糖尿病と診断されていない患者もある1))が過食,インスリン注射の中断,嘔吐や下痢,感染などを誘因として急にインスリン作用不足が高じて発生する.
病 態 高血糖,多量の尿糖排泄に伴う滲透圧利尿とケトン体生成増大,血中ケト酸増加による食思不振,嘔吐などから,高度の脱水,電解質喪失,アチドーシスを生じ,皮膚粘膜乾燥,血液濃縮,低血圧,呼吸困難,ショック,意識障害などの症状を示し昏睡に陥る.脱水と電解質喪失はきわめて高度であり,昏睡の発生に大きな役割を果たしていると考えられている2).
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