検査
検査データをどう読むか
松野 一彦
1
,
小林 正伸
2
,
森岡 正信
2
,
桜田 恵右
2
,
宮崎 保
2
1北海道大学医学部付属病院・検査部
2北海道大学医学部付属病院第3内科
pp.534-538
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900135
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症例:60歳,女性.主訴は発汗過多および結膜充血.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.現病歴:57歳頃から腰痛,発汗過多,結膜の充血,顔面紅潮に気づいていたが放置していた.昨年夏頃から,手指,肘関節痛が出現し,近医にて肝腫大も指摘された.本年9月近医受診時に赤血球増多を指摘され精査のため当院第3内科に入院となる.入院時現症:血圧150/90mmHg,脈拍96/分整,顔面紅潮,結膜充血あり.表在リンパ節腫大なし.胸部は心・肺異常なし.腹部では,肝を3横指,脾を2横指触知.神経学的異常なし.出血傾向も認められない.入院時検査所見(表1):赤血球数731×104/μl,血色素22.5g/dl,Ht67.3%,と赤血球増多を示し,白血球数,血小板数も軽度増加していた.骨髄は過形成で,赤血球系,白血球系,巨核球系の3系統とも増加していた.染色体検査ではPh1染色体陰性.好中球アルカリフォスファターゼは高値であった.尿蛋白陽性,RA陽性だが,LEテスト,抗核抗体は陰性であった.生化学検査では,LDHが高値,Al-pも軽度高値であった.ガス分析では,O2飽和度92%で,51Cr標識法による循環赤血球量は,71.5ml/kgと高値であった.血清ビタミンB12は高値であった.
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