演習 内科専門医による実践診療EXERCISE
意識障害,低ナトリウム血症/頸部リンパ節腫脹
吉岡 成人
1
1聖路加国際病院・内科
pp.529-532
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900134
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70歳,男性.家族歴:特記すべきことなし.既往歴:虫垂切除術(49歳).現病歴:来院2カ月前,自転車に乗っていて転倒.頭部を打撲し,意識消失のため近医に入院.頭蓋骨骨折を認めたが,保存的治療にて入院翌日,意識は回復した.約2週間の入院の後,退院したが,退院後より耳鳴,記銘力の低下,歩行障害が出現し,次第に症状が増悪するため来院した.
身体所見:身長160cm,体重49.8kg,血圧132/92mmHg(左右差なし),脈拍78/分,整.無欲状顔貌を呈し,皮膚や舌は乾燥していた.結膜に極度貧血を認めたが黄疸はなく,心肺所見,腹部所見は正常.神経学的所見では記銘力,計算能力の低下を認め,深部腱反射は低下し,失調性歩行が認められた.
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