検査
検査データをどう読むか
小泉 文明
1
1東北大学医学部・臨床検査診断学
pp.346-349
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222338
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患者:51歳,女性.主訴:背部に放散する左季肋部痛と下血.家族歴:特記すべきことはない.既往歴:胃潰瘍にて広範囲胃切除術(B-II法)を施行されたが,その12年後にさらに横行結腸瘻を伴った吻合部潰瘍のため,吻合部切除(Roux-Y吻合による再建術)兼横行結腸部分切除術を受けている.現病歴:第2回目の手術より約半年後に全身倦怠感,悪心,嘔吐,左季肋部の激痛を訴えて某院を受診し,検査の結果,吻合部潰瘍と診断され治療を受けていたが,背部に放散する左季肋部痛が持続し,さらに下血が出現し,経口摂取不能となったため,中心静脈栄養,持続硬膜外ブロックを施行された.しかしながら,前記症状の改善が認められないため,全身状態の管理を含めた治療,ならびに精査を目的として,東北大学附属病院第1外科へ入院した.入院時所見:身長151 cm,体重35 kg,栄養不良であり,眼瞼結膜に貧血を認めた.腹部正中に手術創を認めるほか,左季肋部に発赤,腫脹,著明な圧痛を認めた.
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