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特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
疾患
NAFLD/NASH
NAFLD/NASH
角田 圭雄
1
,
中島 淳
2
,
米田 政志
1
1愛知医科大学肝胆膵内科
2横浜市立大学肝胆膵消化器病学
キーワード:
NAFLD
,
NASH
,
FIB-4 index
,
肝線維化マーカー
,
エラストグラフィ
Keyword:
NAFLD
,
NASH
,
FIB-4 index
,
肝線維化マーカー
,
エラストグラフィ
pp.133-137
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228705
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非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は肝酵素異常で紹介された際に遭遇する頻度の最も高い疾患で,国内で約2,200万人が罹患している.肝細胞癌(HCC)では従来肝炎ウイルスが主因であったが,現在は肝炎ウイルス以外のアルコールやメタボリックシンドローム,糖尿病などによる代謝性肝疾患の増加が著しい.米国肝臓病学会2012年のガイドラインに基づきNAFLDは非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver:NAFL)と非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)に分類された.国内では2014年に初めて『NAFLD/NASH診療ガイドライン』(以下,ガイドライン)が発表された.2020年にガイドライン改訂第2版が発表されたが,近年はNAFLDの予後規定因子が肝線維化の程度であることが明らかとなり,高度肝線維化例を見逃すことなく肝臓専門医へ紹介し,早期の治療やHCCのサーベイランスに繋げることが重視される.また治療に関して大きなイノベーションはないが,ガイドライン2020では糖尿病合併例に対しては,SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)の投与が推奨されるようになった.本稿ではNAFLD/NASHの診断および治療について「10年前の常識が現在の非常識!?」となっている現状について概説したい.
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