特集 腎疾患—エキスパートへの質問で学ぶ診療のキホンと最新情報
よく出会う糸球体疾患の治療の実際
膜性腎症の診断と治療の留意点は何でしょうか?治療開始時期など具体的な治療のコツを教えてください
横山 仁
1
,
古市 賢吾
1
1金沢医科大学医学部腎臓内科学
キーワード:
膜性腎症
,
ネフローゼ症候群
,
高齢者
,
治療
Keyword:
膜性腎症
,
ネフローゼ症候群
,
高齢者
,
治療
pp.1529-1532
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227798
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Point
◎膜性腎症の77.9%が一次性であり,一次性ネフローゼ症候群の36.8%を占め,高齢層での発症頻度が高い.
◎係蹄上皮細胞上のM型ホスホリパーゼA2受容体などの各種自己抗原とそれに対する抗体の同定が診断において重要である.
◎自己抗体力価は治療効果の判定に有用であり,治療抵抗性を推測するうえでは抗体サブクラス(IgG4優位性)および補体活性化経路(レクチン経路の活性化)が参考になる.
◎レニン・アンジオテンシン系阻害薬などを含む支持・保存的療法もしくはステロイド単独あるいは免疫抑制薬併用のいずれかを臨床病理学的所見に基づき開始する.
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