増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること
臨床検査で迫る腎疾患
膜性腎症の病態評価
中里 玲
1
,
三井 亜希子
1
1日本医科大学大学院医学研究科内分泌代謝・腎臓内科学分野
キーワード:
膜性腎症
,
MN
,
ポドサイト
,
PLA2R
,
自己抗体
Keyword:
膜性腎症
,
MN
,
ポドサイト
,
PLA2R
,
自己抗体
pp.519-523
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203598
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はじめに
膜性腎症(membranous nephropathy:MN)は,糸球体上皮下への免疫複合体沈着とそれに伴うポドサイト障害によりタンパク尿を呈する疾患群を指す.MNの原因は,一次性(ポドサイトに発現する標的抗原とそれに対する自己抗体の存在による)と二次性(他の全身性疾患や薬剤などに起因)の大きく2つに分けられる.2009年に一次性MNの標的抗原であるPLA2R(phospholipase A2 receptor)が同定されて以降1),MNの病態理解や診療アプローチは大きく変化している.
本稿では,MNの病態,臨床的な特徴および診断と,近年明らかとなっているMNの標的抗原に関する検査・治療への応用について概説する.
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