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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅱ.糸球体疾患
4.膜性腎症(MN)
Membranous nephropathy(MN)
秋山 真一
1
Akiyama Shin’ichi
1
1名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科学
キーワード:
MN
,
自己抗体
,
ネフローゼ症候群
Keyword:
MN
,
自己抗体
,
ネフローゼ症候群
pp.46-51
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000994
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1 病因・病態
膜性腎症(membranous nephropathy:MN)は,病理学的に定義された腎糸球体疾患の1つである。MNの病因は腎糸球体の基底膜の上皮下(基底膜のポドサイト(足細胞)側)での免疫複合体の形成である。免疫複合体は,免疫グロブリンG(Immunoglobulin G:IgG),関連する抗原,および補体で構成される。沈着した免疫複合体により各種反応が惹起され,結果として糸球体上皮細胞(足細胞=ポドサイト)が細胞傷害を受けてスリット膜構造が破綻し,高度な蛋白尿とこれに伴う低蛋白血症や浮腫が引き起こされる。
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