ネフローゼ症候群 診療の新たな潮流 ネフローゼ症候群の診断と病型分類
膜性腎症
田口 尚
1
,
小山田 美紀
,
田所 正人
,
一ノ瀬 浩
,
川崎 智子
1長崎市立市民病院 成人病センター検査部
キーワード:
ネフローゼ症候群
,
蛍光抗体法
,
糸球体腎炎-膜性
,
鑑別診断
,
重症度指標
,
病態生理
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Fluorescent Antibody Technique
,
Nephrotic Syndrome
,
Severity of Illness Index
,
Glomerulonephritis, Membranous
pp.691-694
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356243
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膜性腎症は中年以降の発症が多く,中高年のネフローゼ症候群ではもっとも多い病型である.膜性腎症の多くは一次性であるが,約20%は二次性であり,原因としては膠原病,感染症,薬剤,悪性腫瘍などがある.一次性と二次性の膜性腎症の鑑別点としては,二次性では増殖性変化や電顕的にメサンギウムや内皮下の沈着物を示すことがあげられる.また,C1qの沈着や,IgG4以外のサブクラスの沈着も二次性を示唆する所見である.ネフローゼ症候群発症時の合併症としては,高血圧,脂質異常症,感染,静脈血栓症などがあり,適切な対策を要する.一次性膜性腎症の原因抗原としてphospholipase A2 receptor(PLA2R)が注目されてきた.
©Nankodo Co., Ltd., 2013