書評
—加藤良太朗,本田 仁 監訳—ワシントンマニュアル 患者安全と医療の質改善—原著タイトル:The Washington Manual® of Patient Safety and Quality Improvement
黒川 清
1,2,3
1東京大学
2政策研究大学院大学
3日本医療政策機構
pp.46-47
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225985
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
セントルイスのワシントン大学医学部と関連病院は米国でもトップの医学部の1つである.そこで10余年の内科臨床研修に始まる豊富な臨床経験をもつ加藤良太朗さんと,やはり米国での内科臨床研修ののちに同じくセントルイスのワシントン大学で感染症のフェローを体験した本田 仁さんが監訳者となり,30人の仲間たちとの労作がこの邦訳である.
二人の監訳者にとってはなじみのある原著者も多いであろうワシントン大学によるこの著書は,クリントン大統領時代の1999年のInstitute of Medicine(IOM:現在はNational Academy of Medicineと改名し,3つのアカデミーをそろえて‘National Academies of Sciences, Engineering and Medicine’となっている)の歴史的報告書「To Err is Human(人間は間違える)」に出発した医療事故の分析と対策を受けての,ワシントン大学医学部病院群の現在に至る活動報告といえよう.このIOM報告書は米国での医療事故と対策への現在に至る大きな流れを作ったのは間違いない.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.