特集 クリティカル・ケアを極める—一歩進んだ総合内科医を目指して
内科クリティカル・ケア実践編─このパターンを押さえれば8割は対応可能
特異的治療のある急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の原因
黒田 浩一
1
1亀田総合病院感染症科
pp.1536-1540
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225790
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Point
◎病歴,身体所見,画像所見,微生物学的検査で,多くの急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の原因は判明する.
◎ARDSの原因疾患がはっきりしない場合,または通常のARDSより緩徐に発症する場合は,特異的な治療のあるARDS mimicsの可能性を考慮する.
◎気管支肺胞洗浄(BAL)は比較的安全に施行可能なため,ARDS mimicsを鑑別する場合,またはニューモシスチス肺炎などの免疫不全者の呼吸器感染症を疑う場合などに積極的に施行し,外観の評価,細胞分画分析,微生物学的検査,細胞診を行う.
◎BALのみで確定診断に至ることは少ないが,臨床経過,胸部画像,微生物学的検査を踏まえて解釈する場合に,診断と治療方針の決定において有用な検査となる.
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