特集 今日の呼吸器診療と今後の展望
知っておきたい呼吸器疾患
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
田坂 定智
1
1弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学
キーワード:
急性呼吸窮迫症候群
,
高分解能CT
,
乳酸
,
肺保護的人工換気
Keyword:
急性呼吸窮迫症候群
,
高分解能CT
,
乳酸
,
肺保護的人工換気
pp.1459-1461
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1459
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Summary
▪急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は,敗血症や重症肺炎などに続発して発症し,高度な炎症に伴って肺胞隔壁の透過性が亢進することによる肺水腫(非心原性肺水腫)を特徴とする急性呼吸不全である.
▪ARDSの定義として,2012年に発表されたベルリン定義が用いられている.
▪ARDSの病態についての理解が進むとともにさまざまな薬物治療が試みられてきたが,大規模臨床試験で生命予後の改善効果が証明されたものはない.
▪ARDS患者の死亡率は徐々に低下しているが,これは肺保護的人工換気をはじめとする患者管理の進歩によるところが大きいと考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019