疾患と検査値の推移
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
田坂 定智
1
1弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学
pp.508-514
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208361
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Point
●急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は敗血症や重症肺炎などを基礎疾患とし,肺微小血管の広範な傷害による透過性亢進型の肺水腫像を呈する病態である.
●ARDSでは基礎疾患によって全身性に炎症反応が亢進した状態になり,高サイトカイン血症(サイトカインストーム)がみられる.
●ARDS患者の死亡原因としては多臓器不全が最多であり,患者管理にあたっては各臓器不全のスクリーニングとともに播種性血管内凝固症候群(DIC)のモニターが重要である.
●ARDSでは慢性期に肺の線維化が生じることが知られており,回復後のADL低下の要因となるため,KL-6値の推移に注意が必要である.
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