特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
疾患の増悪による緊急受診
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
萩本 聡
1
,
横山 俊樹
1,2
1公立陶生病院呼吸器・アレルギー疾患内科
2公立陶生病院救急部集中治療室
キーワード:
ARDS
,
呼吸管理
,
肺保護戦略
Keyword:
ARDS
,
呼吸管理
,
肺保護戦略
pp.105-110
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_105
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Summary
▪2012年のBerlin基準の公開により,急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の定義が明確かつ簡便になり,今後の臨床および研究での進歩が期待される.
▪ARDSは炎症に伴い血管内皮と肺胞上皮の透過性が亢進することで生じる非心原性肺水腫である.
▪ARDSにおける最も重要な治療は「原疾患の治療」である.
▪呼吸管理としては一回換気量を低くする,いわゆる肺保護戦略が重要である.
▪ARDS患者の生存期間を改善させるとコンセンサスの得られた薬剤はない.
© Nankodo Co., Ltd., 2019