連載 いま知りたい 胃炎の診かた・4
胃炎の治療—H. pyloriの除菌と機能性ディスペプシアの治療
沖本 忠義
1
,
村上 和成
1
1大分大学医学部消化器内科
pp.362-366
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224620
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H. pylori感染胃炎とは?
胃粘膜にH. pylori感染が起こると急性胃炎を発症する1).H. pylori感染は,生涯にわたって持続することが多く,胃粘膜の慢性炎症を背景として,萎縮性胃炎,胃・十二指腸潰瘍,胃癌,胃MALTリンパ腫,胃過形成性ポリープなどのさまざまな疾患を引き起こすことがわかっている.さらには,免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病や小児の鉄欠乏性貧血などの消化管以外の疾患との関連性が指摘されており,日本ヘリコバクター学会によるガイドラインでは,すべてのH. pylori感染胃炎に対して除菌を強く勧めている2).
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