増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
その他
マラリア
金子 明
1,2
1大阪市立大学大学院医学研究科寄生虫学
2カロリンスカ研究所
pp.603-606
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223400
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検査の概要
マラリアは,人類にとって最も古くかつ今なお重要な健康問題である.現在世界約200カ国のうち半数でマラリア伝播がある.マラリアによる死亡者数は依然世界全体で年間約60〜100万人にのぼり,その80%は熱帯アフリカの5歳以下小児である.日本でも1955年ぐらいまで土着媒介蚊によるマラリア伝播があった.近年輸入感染症としてマラリアは再び重要度を増している.韓国では1993年よりマラリア伝播が再興し,いまだに続く.マラリアワクチンは完成していない.免疫のない邦人にとってマラリアは死に至る可能性のある急性疾患であるが適切な化学療法により根治できる.重症化を抑えマラリア死を防ぐためには早期診断が要であり,以下のポイントが重要となる.
1)発熱:マラリアを鑑別診断に入れる.
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