増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
内分泌学的検査
甲状腺・副甲状腺
PTH(副甲状腺ホルモン),PHTrP(副甲状腺ホルモン関連蛋白)
江戸 直樹
1
,
盛田 幸司
1
,
石川 敏夫
1
1帝京大学医学部内科学講座(内分泌代謝・糖尿病内科)
pp.363-365
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223311
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検査の概要
【副甲状腺ホルモン(PTH)】副甲状腺主細胞で合成・分泌されるペプチドホルモンで,84個のアミノ酸からなる.PTH分泌は副甲状腺細胞上のカルシウム感知受容体(CaSR)によって制御される.PTHの主な標的臓器は腎や骨で,PTH/副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)受容体を介し作用する.腎尿細管ではCa再吸収促進とリン(P)再吸収抑制,ビタミンD(VitD)活性化作用を有する.骨では骨芽細胞と骨細胞に作用し,骨吸収活性化と骨形成促進をもたらす1).PTHは血中Ca濃度の恒常性維持に重要な役割を果たしている.
【PTHrP】PTHと類似構造をもち,PTH/PTHrP受容体を介しPTH様作用を発揮する.生理的には局所因子として作用し,妊娠・授乳などの特殊な状況を除いて血中には出現しない.PTHrPは悪性腫瘍で分泌される場合があり,悪性腫瘍による高Ca血症のなかのhumoral hypercalcemia of malignancy(HHM)の主因となる生理活性分子である.
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