特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
各論
3 ホルモン・生理活性物質
9)副甲状腺ホルモン(PTH)
藤田 拓男
1
Takuo FUJITA
1
1神戸大学医学部第三内科
キーワード:
C末端アッセイ
,
インタクトPTHアッセイ
,
中間部アッセイ
,
副甲状腺機能亢進症
,
副甲状腺機能低下症
,
カルシウム
Keyword:
C末端アッセイ
,
インタクトPTHアッセイ
,
中間部アッセイ
,
副甲状腺機能亢進症
,
副甲状腺機能低下症
,
カルシウム
pp.1520-1524
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900366
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はじめに
副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)は甲状腺の右面に上下,左右4個ある米粒大の副甲状腺(parathyroid gland)から分泌されるペプチドホルモンであって,図1に示すような84個のアミノ酸が単鎖を形成し,主要な生物学的活性はN末端1~34個の中に認められるので,これを活性断片ともいう.
PTHは,カルシウム(Ca)代謝の要ともいうべき重要な役割を果たしている.すなわち,副甲状腺を摘除するか,その分泌が低下すると,血清Caは著明に下降し,逆に副甲状腺が腺腫を形成して大量のPTHが血中に分泌されると,高Ca血症が出現する.これらの疾患を診断し,またCa代謝異常の診断の筋道をつけるために,臨床検査上,血中PTHの測定は極めて重要である.
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